膝の痛み

Knee pain

膝の痛みとは

膝の痛みの特徴と日常生活への影響

膝の痛みは、歩く、立ち上がる、階段を昇り降りするなど、日常生活の基本的な動作に大きな影響を与えます。膝は体重を支える重要な関節であり、痛みが生じると生活の質が著しく低下します。

膝関節は、大腿骨、脛骨、膝蓋骨の3つの骨から構成されています。関節面は軟骨で覆われ、半月板がクッションの役割を果たしています。また、靭帯が関節を安定させ、筋肉が動きを生み出します。これらのいずれかに問題が生じると、痛みや動きの制限が現れます。

膝の痛みの原因は多岐にわたります。加齢による軟骨のすり減り、外傷による靭帯や半月板の損傷、使いすぎによる炎症など、年齢や活動レベルによって発症する疾患が異なります。

船橋市下総中山周辺にお住まいの方で、膝の痛みが続く場合、階段の昇り降りが困難になった場合、膝に水が溜まる場合は、早めの受診をお勧めいたします。

膝関節の役割と負担

膝関節は、立っているだけで体重分の負荷がかかり、歩行時には体重の約3倍、階段の昇り降りでは約5倍から7倍の負荷がかかると言われています。

このように大きな負荷がかかる関節であるため、年齢とともに軟骨がすり減りやすくなります。また、スポーツや労働で膝を酷使する方は、若い世代でも軟骨や半月板の損傷が生じることがあります。

肥満は膝への負担を増大させる大きな要因です。体重が増えると、膝にかかる負荷も比例して増加するため、変形性膝関節症のリスクが高まります。適正体重を維持することは、膝の健康を守るために重要です。

また、筋力低下も膝の痛みの原因となります。特に太ももの前面にある大腿四頭筋は、膝を安定させる重要な筋肉です。筋力が低下すると、膝関節への負担が増え、痛みが生じやすくなります。

膝の痛みを引き起こす主な疾患

変形性膝関節症

変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減ることで痛みが生じる疾患です。中高年の方に最も多く見られる膝の疾患です。

初期には、動き始めの痛みが特徴です。朝起きて歩き始めるときや、座った状態から立ち上がるときに痛みを感じますが、しばらく動いていると痛みが和らぎます。

症状が進行すると、階段の昇り降りで痛みが強くなります。特に降りるときに痛みが増すことが多く、手すりが必要になることもあります。さらに進行すると、平地を歩くだけでも痛みが生じ、歩行距離が徐々に短くなります。

膝に水が溜まる(関節水腫)こともあります。膝が腫れて、膝の屈伸が困難になります。また、O脚変形が進行し、膝の内側に痛みが集中することが多いです。

レントゲン検査により、関節の隙間が狭くなっていることや、骨棘の形成を確認できます。軟骨の状態を詳しく評価するために、MRI検査を行うこともあります。

女性に多く見られる傾向があり、特に50代以降の方に発症が増加します。肥満、O脚、筋力低下などが発症のリスク因子です。

半月板損傷

半月板は、大腿骨と脛骨の間でクッションの役割を果たす三日月形の軟骨組織です。

スポーツ中の急な方向転換や、膝をひねる動作で損傷することがあります。若い世代では、バスケットボールやサッカーなどの競技で発症しやすい傾向があります。

また、加齢により半月板が変性している場合、日常的な動作でも損傷することがあります。しゃがみ込む動作や、立ち上がる動作で突然痛みが生じることがあります。

膝の曲げ伸ばしで引っかかり感があったり、特定の角度で痛みが強くなったりすることが特徴です。損傷した半月板が関節の間に挟まると、膝が完全に伸びなくなる「ロッキング」という状態になることもあります。

膝の内側や外側に圧痛があり、膝を深く曲げた状態でひねると痛みが再現されます。MRI検査により、半月板の損傷の有無や程度を確認できます。

前十字靭帯損傷

前十字靭帯は、膝関節の中にある重要な靭帯で、膝の前後方向の安定性を保つ役割を果たしています。

スポーツ中のジャンプの着地や急な方向転換、接触プレーなどで損傷することが多い外傷です。バスケットボール、サッカー、スキーなどの競技で頻繁に見られます。

受傷時に「ブチッ」という音を感じることがあります。直後は強い痛みがあり、膝が腫れて曲げられなくなります。数週間経過すると痛みは落ち着きますが、膝の不安定感が残ります。

階段を降りるときや方向転換時に膝が「ガクッ」とずれる感覚(膝くずれ)が生じることがあります。このような不安定性が続くと、半月板や軟骨にも二次的な損傷が生じる可能性があります。

MRI検査により、靭帯の断裂の有無を確認できます。年齢や活動性の程度に応じて、保存療法と手術療法を選択します。

軟骨欠損症・骨壊死

軟骨欠損症は、膝関節の軟骨が部分的に欠損する状態です。外傷や繰り返しの負荷により発症します。

骨壊死は、膝の骨の一部が血流障害により壊死する疾患です。特発性の場合と、ステロイド治療などが原因となる場合があります。突然の強い痛みが特徴で、特に荷重時に痛みが増します。

これらの疾患は、MRI検査により詳しく評価できます。保存的治療で改善しない場合は、手術が必要になることもあります。

スポーツ障害

膝蓋腱炎(ジャンパー膝)は、ジャンプやダッシュを繰り返すスポーツで発症します。膝のお皿の下に痛みが生じ、ジャンプ動作で症状が強くなります。

オスグッド病は、成長期の子どもに多く見られます。脛骨の上部が出っ張り、痛みが生じます。走ったり、ジャンプしたりする動作で症状が悪化します。

鵞足炎は、膝の内側下方に痛みが生じる疾患です。ランニングなど、膝の屈伸を繰り返す運動で発症しやすくなります。

膝の痛みの診断と検査

当院での診断プロセス

いとう整形外科では、膝の症状の原因を正確に把握するため、丁寧な診察を行います。

問診では、痛みが始まった時期、痛みの場所、どのような動作で痛みが強くなるか、外傷の有無、スポーツや仕事の内容などを詳しくお伺いします。朝の痛みが強いか、動いているうちに楽になるかなども重要な情報です。

診察では、膝の腫れの有無、関節の動きの範囲、水が溜まっているか、どこに圧痛があるかなどを確認します。また、靭帯や半月板の損傷を確認するための特殊なテストも行います。

歩き方や、片足立ちでの安定性、階段の昇り降りの様子なども観察し、筋力や関節の機能を総合的に評価します。

レントゲン検査

レントゲン検査では、骨の形状、関節の隙間、骨棘の有無、骨の配列などを確認します。

当院では最新の天井走行式レントゲン装置を導入しており、立位での撮影が可能です。体重がかかった状態での撮影により、より正確に関節の状態を評価できます。

変形性膝関節症では、関節の隙間が狭くなっていることや、骨棘の形成を確認できます。O脚やX脚の程度も評価できます。
骨折や骨壊死、骨の変形など、骨に関する疾患の診断に有効です。

MRI検査

半月板損傷、前十字靭帯損傷、軟骨欠損症、骨壊死など、レントゲンでは評価が難しい疾患が疑われる場合は、MRI検査が必要です。

MRIでは、軟骨、半月板、靭帯、骨の内部など、膝関節のあらゆる組織の詳細な情報が得られます。損傷の有無や程度を正確に評価でき、治療方針の決定に重要な役割を果たします。

当院では、必要に応じて提携医療機関にご紹介し、速やかに検査を受けていただける体制を整えています。

膝の痛みの予防法

適正体重の維持

膝への負担を減らすためには、適正体重を維持することが重要です。

体重が1kg増えると、歩行時には膝に約3kgの負荷が増加します。階段の昇り降りでは、さらに大きな負荷がかかります。数kgの減量でも、膝への負担は大きく軽減されます。

バランスの取れた食事と適度な運動により、無理のない減量を心がけましょう。急激なダイエットは筋肉を減らしてしまうため、避けることが大切です。

筋力強化とストレッチ

太ももの筋肉、特に大腿四頭筋を鍛えることは、膝の痛みの予防と改善に非常に効果的です。

椅子に座った状態で、片足ずつ膝を伸ばして5秒間保持する運動は、簡単で効果的です。1日20回から30回を目安に行いましょう。

また、太ももの裏側の筋肉(ハムストリングス)やふくらはぎの筋肉の柔軟性を保つことも重要です。ストレッチにより筋肉を柔らかく保つことで、膝への負担を軽減できます。

プールでの水中ウォーキングは、浮力により膝への負担が少なく、筋力強化に適した運動です。水の抵抗により効果的に筋肉を鍛えることができます。

当院のリハビリテーション科では、理学療法士が一人ひとりの状態に合わせた運動プログラムを提案しています。

日常生活での工夫

日常生活での動作を工夫することで、膝への負担を減らすことができます。

階段の昇り降りでは、手すりを使い、ゆっくりと動くことを心がけましょう。降りるときは特に膝に負担がかかるため、注意が必要です。

正座は膝に大きな負担をかけます。椅子の生活を取り入れることで、膝への負担を軽減できます。

重い荷物を持つ際は、キャリーバッグなどを利用し、膝への負担を減らしましょう。

冷えは膝の痛みを増悪させます。冬場や冷房の効いた環境では、膝を温めるよう心がけましょう。サポーターの着用も効果的です。

当院での治療方法

変形性膝関節症の治療

変形性膝関節症では、保存的治療により症状の改善を図ります。

  • 薬物療法

    非ステロイド性抗炎症薬により、痛みと炎症を抑えます。外用薬の併用も効果的です。

  • 関節内ヒアルロン酸注射

    関節内にヒアルロン酸を注射します。ヒアルロン酸は関節液の主成分であり、注射により関節の潤滑性を改善し、軟骨を保護する効果があります。
    通常、週に1回、計5回を1クールとして行います。痛みの軽減と関節機能の改善が期待できます。多くの方が数か月から半年程度効果が持続しますが、効果が減弱した際は再度注射を行うことができます。

  • リハビリテーション

    当院では、広いリハビリテーション室で専門的な治療を提供しています。
    徒手療法により、膝関節の動きを改善します。硬くなった関節包や筋肉を丁寧にほぐし、可動域を広げます。
    運動療法では、大腿四頭筋の筋力強化が中心となります。理学療法士が段階的にプログラムを進め、無理なく筋力を向上させます。また、歩行訓練やバランストレーニングにより、転倒予防にも取り組みます。
    物理療法として、温熱治療により血流を改善し、痛みを和らげます。電気治療も痛みの軽減に効果的です。

  • インソール(足底板)

    O脚変形がある場合、足底板により膝の内側にかかる負担を軽減できます。靴の中に入れて使用し、歩行時の膝への負荷を分散させます。

  • PDF-FD療法

    それでも改善が乏しい場合には、希望者にはPDF-FD療法という選択があります。これは自費診療となります。
    当院では、患者様ご自身の血液から抽出した成分を患部に注射をする再生医療を取り入れています。PDF-FDは血漿由来の成長因子を濃縮・フリーズドライ化した製剤で、組織の修復や炎症の抑制を促し、からだ本来の自然治癒力を高めます。
    変形性膝関節症に対して、保存的治療で十分な改善が得られない方への新しい治療の選択肢です。

  • 手術が必要な場合

    保存的治療で十分な効果が得られず、日常生活に大きな支障をきたす場合は、手術を検討します。その際は、適切な医療機関へご紹介いたします。

半月板損傷の治療

半月板損傷では、まず保存的治療を行います。

  • 保存的治療

    関節内ヒアルロン酸注射により、関節の炎症を抑え、痛みを軽減します。リハビリテーションでは、膝周りの筋肉を強化し、関節を安定させます。
    痛みに対しては、鎮痛薬の服用や湿布の使用により症状をコントロールします。
    多くの場合、保存的治療により症状の改善が期待できます。ただし、ロッキング症状(膝が伸びなくなる状態)が頻繁に起こる場合や、日常生活に大きな支障をきたす場合は、手術が必要になることがあります。

前十字靭帯損傷の治療

前十字靭帯損傷の治療は、年齢や活動性の程度に応じて選択します。

  • 保存療法

    高齢の方や、激しいスポーツをされない方では、リハビリテーションによる保存療法を選択します。
    膝周りの筋肉、特に大腿四頭筋とハムストリングスを強化することで、膝の安定性を代償します。理学療法士が段階的に筋力トレーニングを進め、日常生活に必要な機能の回復を目指します。
    装具やサポーターの使用により、膝の安定性を補助することもあります。

  • 手術療法

    若年の方や、スポーツを続けたい方では、手術療法を選択することが一般的です。断裂した靭帯を再建する手術により、膝の安定性を回復します。
    手術が必要な場合は、近隣の専門病院へご紹介いたします。術後のリハビリテーションは、当院で継続して行うことができます。

リハビリテーション

当院のリハビリテーションは「治すため」だけでなく「再発予防」や「将来の健康維持」を大切にしています。

医師と理学療法士が密に連携し、患者様の症状や生活スタイルに合わせたプログラムを提供します。筋力強化、柔軟性の向上、バランス能力の改善など、総合的な機能回復を目指します。

転倒予防、筋力維持、歩行能力の改善など、予防医学に基づいた取り組みを通じて、健康寿命の延伸に貢献します。

リハビリテーション実施計画書を月に1回作成し、治療の進捗を確認しながら、プログラムの見直しを行います。

当院のこだわり

いとう整形外科では、膝の痛みの治療において、正確な診断と患者様一人ひとりに合わせた治療を提供しています。

最新の天井走行式レントゲン装置により、立位での撮影が可能です。体重がかかった状態での膝の状態を評価でき、より正確な診断につながります。

必要に応じてMRI検査を提携医療機関で実施し、半月板や靭帯の状態を詳しく評価します。検査結果を基に、最適な治療方針を立てていきます。

広いリハビリテーション室では、理学療法士による専門的なリハビリテーションを実施しています。筋力強化、歩行訓練、バランストレーニングなど、一人ひとりの状態に合わせた丁寧な治療を提供しています。

また、保存的治療で十分な改善が得られない方には、再生医療であるPDF-FD療法という選択肢も提供しています。

船橋市下総中山駅から徒歩圏内に位置し、地域の皆様が通いやすい環境です。膝の痛みでお困りの際は、お気軽にご相談ください。

料金について

当院では、保険診療を中心に治療を行っています。

  • 初診時の料金目安(3割負担の方)

    • ・膝の痛みで受診された場合:約1,150円〜4,830円
  • 主な検査・治療の料金(3割負担の方)

    • ・初診料:約860円
    • ・再診料:約220円
    • ・レントゲン検査(3部位まで):約440〜1,460円
    • ・MRI検査:同ビル「中山メディカルブリッジ」内の提携医療機関にご紹介します
    • ・リハビリテーション(20分単位):約560円
    • ・物理療法:約330円
    • ・リハビリ実施計画書(月1回):約900円
    • ・関節内ヒアルロン酸注射:約270〜4,500円
  • 2回目以降の通院(3割負担の方)

    • ・再診料+リハビリテーション+物理療法の場合:約1,110円
  • 自費診療

    • ・PDF-FD療法:165,000円(税込)
  • ※上記は目安です。検査内容や治療内容により料金は変動します。
  • ※2割負担、1割負担の方は料金が異なります。
  • ※お支払いは現金とクレジットカードがご利用可能です。

詳細につきましては、受付スタッフまでお気軽にお尋ねください。

よくある質問

変形性膝関節症は治りますか?
一度すり減った軟骨を元に戻すことはできませんが、適切な治療により痛みを軽減し、進行を遅らせることは可能です。リハビリテーションによる筋力強化、ヒアルロン酸注射、体重管理などを組み合わせることで、多くの方が日常生活を支障なく送れるようになります。
ヒアルロン酸注射は何回打てば効きますか?
通常、週に1回、計5回を1クールとして行います。効果は個人差がありますが、多くの方が数か月から半年程度効果が持続します。効果が減弱した際は、再度注射を行うことができます。
膝に水が溜まっています。抜いた方がいいですか?
水が多量に溜まって膝が腫れている場合は、関節内の圧力が高まり、痛みや動きの制限が強くなります。この場合は水を抜くことで症状が改善します。水を抜くこと自体が癖になることはありませんが、水が溜まる原因(炎症)を治療することが重要です。
半月板損傷は必ず手術が必要ですか?
必ずしも手術が必要というわけではありません。保存的治療により症状が改善する場合も多くあります。ただし、ロッキング症状が頻繁に起こる場合や、日常生活に大きな支障をきたす場合は手術を検討します。
膝のサポーターは効果がありますか?
サポーターは膝を温め、適度な圧迫により関節を安定させる効果があります。痛みの軽減や不安感の解消に役立ちます。ただし、サポーターに頼りすぎて筋力が低下しないよう、適度な運動も併せて行うことが大切です。
どのくらい体重を減らせば膝の痛みは楽になりますか?
研究によると、3kgから5kgの減量でも膝の痛みが軽減することが報告されています。無理のない範囲で減量を心がけ、同時に筋力強化を行うことで、より効果的に症状の改善が期待できます。

いとう整形外科 所在地:千葉県船橋市下総中山 最寄駅:下総中山駅

膝の痛み、歩行困難、階段の昇り降りが辛いなどの症状でお困りの際は、お気軽にご相談ください。船橋市下総中山で、皆様の健康を支えます。

Information アクセス・ご予約案内

〒273-0035
千葉県船橋市本中山2丁目17番35号 中山メディカルブリッジ6階

休診日:日曜・祝日

JR下総中山駅からの道順
北口を出て、左手目の前にあるビルの6階:徒歩